このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

新清士の「メタバース・プレゼンス」 第110回

グーグルの動画生成AI「Veo 3」が圧倒的、だけど高すぎ

2025年06月09日 07時00分更新

文● 新清士

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 グーグルは5月20日、「Google I/O 2025」で、最新の動画生成AI「Veo 3」を発表しました。動画の品質はずば抜けていて、これまで以上にリアリティーのある自然な動きが作成できるようになっています。また、「Flow」という動画生成と編集を一括にできる環境も公開しました。課題は価格です。Veo 3はGoogle AI Proプラン(月額2900円)でも使えるものの、月10回に制限され、Google AI Ultraプラン(月額3万6000円)を使うことが事実上の前提になっています。3ヵ月間限定の半額セールもされていますが、それでも月額1万8000円。あまりに高くて連続利用には悩んでしまいますが……1ヵ月だけ試してみることにしました。

※記事配信先の設定によっては図版や動画等が正しく表示されないことがあります。その場合はASCII.jpをご覧ください

「Flow」を通じて画像→動画(image to video)ができるように

FlowのUIはこれ以上にないほどシンプル

 2024年12月に公開された「Veo 2」は、グーグルの生成AIサービス「Whisk」でも使うことができました。ただし、Veo 2に最初のフレームとして画像を指定するためには、Imagen 3で作成した画像を指定する必要があり、画像データをアップロードして読み込ませることはできませんでした。一方、Flowでは画像をアップロードして指定できるようになりました。Veo 2では始点と終点の両方を、Veo 3では「Quality(品質)」モードでは始点を指定できます。動画生成AIの実用性は、任意の画像を指定する機能(Image-to-Video)の有無で有用性が大きく変わります。Veo 3はその機能に対応しました。

 Flowでの課金方法は4種類で、生成できる動画は16:9、720pサイズ、8秒間のみです。

Veo 2 - Fast 10クレジット

Veo 3 - Fast 20クレジット(Text-to-Movieのみ)オーディオ機能付き

Veo 2 - Quality 100クレジット

Veo 3 - Quality 100クレジット (始点機能あり)オーディオ機能付き

 6月6日には、Flowに「Veo 3 Fast(高速)」モードが追加されました。Text-to-Videoのみの限定ではありますが、価格に選択肢が生まれました。

 Google AI Ultraプランは月額3万6000円ですが、もらえるクレジット数は1万2500クレジットなので、「Veo 3- Quality」では月に125回しか生成できません。1回の生成には288円(キャンペーンで半額と計算すると144円)かかる計算になります。動画生成AIとしては、現状提供されているクラウドサービスのなかで、かなり割高な価格設定であることは間違いありません。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事
ピックアップ